月刊 新医療
2024 February VOL.51 NO.2
“杜の都”で全国区の名声を誇る病院が世界初号機の高精細ADCT※を導入し、更なる高レベルの循環器診療を目指す
※ADCT:Area Detector Computed Tomographyの略語です。
月刊 新医療
2024 February VOL.51 NO.2
※ADCT:Area Detector Computed Tomographyの略語です。
循環器領域を始め、消化器、呼吸器領域でも、高品質な診療を展開してきていることで知られる仙台厚生病院。
その名声は全国区であるが、2024年には東北大学農学部跡地に移転し、一層、その診療体制を整備するという。
同院では、2023年秋、超解像画像再構成技術など最先端のAI技術他を搭載する最新鋭のADCTを世界に先駆け導入。
同CTの有用性と今後への期待を、診療管理者の畑氏、放射線科科長の小野氏、循環器内科科長の多田氏らに聞いた。
― 放射線科の概要をお聞かせください。
仙台厚生病院 放射線科には6名の画像診断医が勤務し、放射線検査画像の読影業務を行っています。読影件数は、2022年度でCTが約3万2000件、MRIが約6000件、PET-CTが約2500件、RI検査が約1200件を数え、全件即日読影を行っています。
なお、画像管理加算2の取得には、同日内に80%を読影すればよいことになっていますが、残りの20%を翌日の業務に残すことは、読影医にとって却って業務負担が増すことになりますので、当院では即日読影に務めています。
― 検査機器の体制は如何でしょうか。
放射線部には、CTは3台ありますが、全て320列のADCT装置です。MRIは1.5T装置2台を保有しています。なお、当院が循環器領域、呼吸器領域、消化器領域に特化した診療を行っていることから、3.0Tではなく、敢えて当該領域の検査にとって有益なアプリケーション等を装備している1.5TのMRIを選択しています。
PET-CTは、最新の半導体PET-CT装置を導入して、精度の高い検査を実施しています。
― 2023年9月に最新型のADCTを導入したと聞いています。
3台のCTのうち、最も古い64列MDCTを更新して導入したのが最新の高精細ADCT「Aquilion ONE / INSIGHT Edition(アクイリオンワンインサイトエディション」です。
この最新型のCTの特長は、何と言っても1回転0.24秒というガントリの高速回転を実現している点です。従来装置でもVolume Scanによる有用性を実感できていましたが、今回、更なる高速回転を実現したことにより、より広いカバレッジを短時間で撮影することができるようになりました。
時間分解能が上がると、その分空間分解能が下がることもあるのですが、新しい「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」では、超解像DLR(Deep Learning Reconstruction)技術「PIQE(ピーク)」により、各領域で非常にクオリティの高い臨床データが取得できています。
― 3台のADCTは、どのように使い分けているのでしょうか。
当院では、かねてよりAquilion ONE シリーズの「Aquilion ONE / NATURE Edition」と「Aquilion ONE / ViSION Edition」が稼働していますが、新しい「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」は、その高時間分解能と最新の画像再構成技術をフル活用するため、主に循環器領域の検査に使用しています。従前からの2台は、それ以外の消化器領域や呼吸器領域での検査に主に使用しています。
3台のADCTの高速撮影機能は、被ばく線量や造影剤の量を抑制し、また、救急でも大きく貢献しています。
― 新病院移転に向けての検査体制についてお聞かせください。
装置の多くは現在の病院から移設する予定です。CTの移設は、保健所等の許可さえ得られれば技術的に大きな問題はないのですが、PET-CTなど、核医学検査装置は移設が難しく、検査スケジュールの調整も含め、できるだけ短期間での移設を模索しているところです。PET-CTの稼働が休止することで、折角当院に検査を申し込まれた被検者の方々が、他施設に行かれる可能性もあるので、休止期間は短くしなければなりません。
また、MRIについては、新病院オープンに合わせて1台を更新する予定です。
当院は、キヤノンメディカルシステムズ製のモダリティを長年、数多く使用してきていますが、同社には当院の医療スタッフも全幅の信頼を置いているので、モダリティの移設作業でも、その期待に応えてくれるでしょう。
放射線科は、被ばく低減、造影剤の減量、検査時間の短縮、高精細な画像の撮像と、質の高いレポートを出すのが仕事です。新病院でも、この責務を最新の機器を駆使することで、全うしていきたいと考えています。
一般財団法人 厚生会仙台厚生病院 循環器内科
仙台厚生病院の循環器内科は、心臓血管系疾患のあらゆる領域において質の高い診断と治療を実施していることで知られ、治療実績は東北トップクラスを誇る。循環器内科科長の多田憲生氏は、同科の診療体制についてつぎのように話す。
「循環器内科には、狭心症や心筋梗塞など心臓の血管の疾患を専門にする虚血チーム、不整脈チーム、足など心臓以外の血管を診る末梢血管チーム、弁膜症や生まれつき心臓内に穴があるようなシャント性疾患を診る構造的心疾患(SHD)チーム、そして、エコーや重症心不全を専門とするチームがあります。
医師は常勤・非常勤含め約30名が勤務しており、研修医・専攻医は各チームをローテーションしながら診療技術を習得後、各チームに配属し、そこで専門性を高めています」
循環器内科では、2022年、年間1000件を超える経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を始め、カテーテルアブレーションは728件、新規ペースメーカー植え込み術は237件など、極めて多くの心疾患の患者の治療を行っている。患者は地元の宮城県だけでなく、東北地方の隣接県からも数多く訪れるという。
「隣県の山形・福島・岩手からの患者さんも多く、面積的にはかなり広い診療圏をカバーしていると言えるのではないでしょうか」
高精細ADCT「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」
同院では、前出のとおり2023年9月から最新型高精細ADCT「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」が稼働を開始。従来機種を上回るガントリの回転速度や、最新のAI技術を活用した超解像画像再構成技術『PIQE』の搭載等により、大幅な性能向上を実現している。
同CTの有用性を問うと、多田氏はその良質な画像を絶賛する。
「従来装置の画像と比べ、血管内の様子や石灰化について、より輪郭を鮮明に捉えられるようになりました。また、これまでは患者さんの脈の状態により画質が左右されていましたが、高速撮影を実現したことで、脈の状態に関係なく診療に有用な良質な画像を描出してくれます。また、AI技術を用いた超解像画像再構成技術『PIQE』は、我々の既成概念を遥かに超える画像を提供してくれます。CT画像には、病気の有無といった診断だけでなく、治療戦略を立案する材料としての画像も求められていますので、その点でも「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」の画像の有用性は高いと評価しています」
冠動脈疾患におけるCTの有用性
虚血チームで、主に冠動脈疾患の治療に取り組んでいる循環器内科主任医長の本田晋太郎氏は、「Aquilion ONE /INSIGHT Edition」の冠動脈疾患における有用性を、つぎのように話す。「これまでのCT画像は、若干解像度に難があり、血管の狭窄度合いや石灰化の評価が難しい面があったのですが、「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」では、超解像画像再構成技術『PIQE』による画像解析の結果、口径2.25㎜の細径ステントも明瞭に描出することができています。ステントのサイズは、2㎜が最も細いのですが、それに準じるサイズのものを捉えることができることにより、侵襲的なカテーテルによる造影検査を相当数減らせるのではないかと期待しています。また、「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」はガントリの回転速度が向上し、新X線管による低管電圧/高出力撮影が行える点でも、患者さんの負担軽減に大いに貢献するのではないでしょうか。
従来のCTと比べて「Aquilion ONE/INSIGHT Edition」は血管内をよりクリアに描出することができるので、術後の検査はもちろん、手術やカテーテル治療実施の際のストラテジー立案にも役立っていると実感しています」
弁膜症治療におけるCTの有用性
弁膜症や生まれつき心臓内に穴があるようなシャント性疾患を診る構造的心疾患(SHD)チームで、主に経カテーテル大動脈弁植込み術(TAVI)を中心とする弁膜症治療に取り組んでいる循環器内科医長の中嶋正貴氏は、弁膜症診療におけるCT検査の有用性をつぎのように挙げる。
「CT検査は、心エコー検査と並んで、TAVIの術前診断における重要な検査です。TAVIの導入初期は、心エコーや造影検査などで生体弁選択を含む治療戦略を立てていた時期もありましたが、現在ではTAVIの術前検査として不可欠な検査に位置づけられています」
同院でも、すでに2台のADCTを運用してTAVIの診療に使用してきたが、「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」について、中嶋氏はつぎのように評価している。「新CTは、ガントリの回転速度が向上したことにより、比較的、脈のコントロールが難しい患者さんでも、高品質な画像を得られるようになりました。例を挙げると、急性期の心不全の患者さんなど、そもそも脈のコントロールに危険性を伴う患者さんに対する緊急治療において、心拍数を抑えなくても質の高い画質を得られるような点はとても有用です。
緊急TAVIの術前CTは、ある意味鬼門と言うべき難しい検査でしたが、この検査をクリアできるCTは、我々にとって極めて有難い装置であると言えます」「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」の画質についても、中嶋氏は非常に高く評価している。
「従前よりあるADCTでも、十分高度な診療を行える画質を得ていましたが、新しいCTの画像では、石灰化を伴うことが多い弁膜症の診療において、その石灰化の質的評価が可能になるのではないかと期待しています。石灰化は、TAVIの実施において合併症に関連するファクターであり、それを細かく評価することができるようになれば、術前のリスクマネジメントに大きく貢献すると感じています」
2006年山形大学医学部卒。2006年山形大学医学部付属病院等を経て、2018年より仙台厚生病院循環器内科勤務、2021年より同科主任医長、現在に至る。
2012年金沢大学医学部卒。2012年神戸市立医療センター中央市民病院で研修を積んだ後、2017年より仙台厚生病院循環器内科勤務、2022年より同科医長、現在に至る。
新病院移転
仙台厚生病院では、2024年5月に新病院への新築・移転を進めている。新病院での循環器内科の診療について、多田氏は構想を語る。
「最近、仙台市内の医療機関が移転する傾向があります。ただ、いずれの施設も仙台市郊外に移転しているのに対して、当院はより中心地に移転することになっており、それは移動に困難を伴う患者さんにとって歓迎されることと思います。
新病院では、カテーテル室こそ数は増えませんが、手術室が増えることで診療の枠も増えるはずです。また、いつでもカテーテル室を1室増設できるようにスペースを確保しています。
医学は常に進歩し続けています。新しい病院は10年後、20年後の医療の進歩に備えた施設として設計・建築されており、我々も新しい施設でさらに腕を振るって診療できると期待しているところです」
仙台厚生病院では、法人全体を統括する理事長、診療を統括する院長に加え、医療安全や危機管理に対応する診療管理者という職を置いている。5代目の診療管理者である畑 正樹氏に、同院の診療の現況と最新の画像診断装置導入への期待を聞いた。
―今般の320列ADCTを始め、最新・高性能医療機器の導入に積極的でいられます。
元々、当院は先進的な医療に積極的に取り組むことを特長としてきた病院ですので、それを実現するための高性能な医療機器や装置を導入することは必須と言ってもよいでしょう。また、優秀な人材を確保する上でも最先端・高性能な医療機器の整備は重要と言わざるを得ません。
その典型が循環器領域での診療です。カテーテル治療においては、術前の診断と治療計画が極めて重要であり、そのことに今回導入した最新のCTが大いに貢献するのではないでしょうか。高度な治療を多数行うことで、医療スタッフによる学会発表の件数が増えて病院の知名度が高まり、それによって優秀な医師が当院に集まり、さらに高度な医療を展開することができるという好循環になっているのが当院の循環器診療です。
私が専門とする心臓外科でもCT画像は極めて重要です。特に大動脈瘤や大動脈解離の画像診断については、この20年ほど、大きな進歩が見られませんでしたが、今回、撮像スピードが一段と高速化し、さらに高画質化を実現した新しいCTには大いに期待しているところです。
―2024年5月の新病院移転についてお聞かせください。
当院は1943年に結核治療を主目的として設立されました。1996年に現在のような循環器・呼吸器・消化器の3領域に医療資源を集中し、宮城県はもとより、東北全域、そして全国から患者さんが集まる高度専門治療・救急医療を24時間体制で提供する地域医療支援病院として活動してきましたが、さすがに近年は院内施設が手狭となり、今後の展望を考えると、より広いスペースを持つ新病院建設が急務となっていました。今回、幸運にも東北大学農学部の跡地を確保することができ、2021年7月に新病院建設に着手し順調に進行しています。
新病院となっても病床数や診療科目は現在と変わりませんが、敷地は現在地の約3倍、延べ床面積は約1.5倍となり、手術室やICUを拡充するなどして診療機能を更に強化することはもちろん、病室の全室個室化、患者さん向けの駐車スペース400台余の確保など、患者さんの診療環境にも配慮した設計となっています。
また、「iPS室」と呼ぶフリースペースを多数確保し、今後の医療技術の進歩や医療環境の変化にも対応できるようにしています。新病院のコンセプトは「杜の都の次世代型先進病院」です。現在、5月の病院移転に向け、準備を進めているところです。
操作性の向上並びに撮影の高速化、画像再構成技術の進化が患者及び検査者の負担軽減と高品質なCT画像の描出を実現
1984年東北大学医療技術短期大学部卒。2014年東北大学大学院医学系研究科保健学専攻博士課程修了。1984年より仙台厚生病院放射線部勤務、2014年より現職。
2004年東北大学医療技術短期大学部卒。2018年同大学大学院保健学専攻博士課程修了。2004年より仙台厚生病院放射線部勤務、2023年より現職。
仙台厚生病院放射線部には27名の診療放射線技師が在籍し、CT3台、MRI2台、PET-CT1台、血管撮影装置6台、そしてリニアック1台等を運用している。検査業務の現況を放射線部 技師長の阿部美津也氏はつぎのように説明する。「診療放射線技師は、各モダリティをローテーションで担当し、どの装置でも操作できるような体制を取っています。
CTについては、普段は3台の装置を3人の診療放射線技師が担当するようにしていますが、1台は新しい装置が導入されたばかりなので、現在は3台を4名の診療放射線技師が担当して運用中です」
高精細ADCT「Auilion ONE / INSIGHT Edition」①
稼働を開始した「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」に対する評価を、同装置の運用を担っている放射線部 副技師長の芳賀喜裕氏はつぎのように語る。
「当院には「Aquilion ONE」シリーズのCTがすでに2台稼働していますが、「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」では操作卓や画面、操作法が一新され、AIを活用した検査サポート機能『INSTINX(インスティンクス)』により、初心者でも容易に扱える装置になったことが高く評価できます。操作画面のモニタも大きくなり、操作性を改善した新たなインターフェースでは、時系列で検査の流れを表示することにより、画面上左から右に進むように操作を行いさえすればCT検査が容易に実行できるように構成されていて、結果、検査効率も向上している印象です。また、撮影範囲、FOVを自動で設定してくれるので、検査担当者としては、非常に便利であると感じています」
「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」の性能について、芳賀氏は〝同じシリーズとは思えない”とその性能を絶賛する。
「従来装置では捉えきれなかった血管内部や石灰化を詳細に描出できるようになりましたし、高速回転化によりハートレート(HR)80以上でも十分な画質を得られるようになり、βブロッカー等を用いずにCT検査ができるようになったことは患者さんにとっては朗報です。
造影剤の量についても、従来装置と同じように造影検査を行った場合でも、その造影剤量は半減していますし、低管電圧撮影を行えば、さらに造影剤量を減らすことが可能と考えています」
高精細ADCT「Auilion ONE / INSIGHT Edition」②
同院では現在、「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」を循環器領域での検査を中心に使用しているが、放射線部では同CTの様々な機能を他の領域にも活用することを検討している。現況を芳賀氏は話す。
「現在、トライアル的に検査をしているところです。腹部領域で実施すDrip Infusion Cholecystocholangiography(点滴静注胆嚢胆管造影法:DIC)検査では、稀に造影不良を起こすことが課題でしたが、Dual Energy撮影を行うことで造影剤の濃度調整も可能になりますし、循環器領域同様、石灰化の様態や石灰化の成分も確認できるのでメリットづくしの検査になっています。また、『PIQE』は体幹部へも適用が展開されているので、同検査においても、従来以上の高画質な画像を得ることができています。
また、これは呼吸器領域でも同様なのですが、『3D Landmark Scan』機能では、『SilverBeam Filter(銀のFilterを介した高エネルギー化)』を用いることで、肺領域の低線量撮影が可能です。なお、呼吸器領域の患者さんに対してはフォローアップの検査が多いのですが、「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」であれば実効線量0.12mSvで肺の検査を行うことができます。わずかに一般撮影検査より線量は多いものの、得られる画像からは縦隔や肺野、肺の奥行も容易に診断できるので、その有用性は非常に高いです。
当院は、循環器、消化器、呼吸器のどの領域からも同じ程度の検査依頼数がありますので、今後「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」を循環器領域ばかりでなく、他の領域の検査にどのように活用していくかを考えていくべきでしょう」
新病院移転の展望
2024年5月の新病院移転に向け、放射線部では各種モダリティの移設・更新計画が進行中である。その詳細を阿部氏は語ってくれた。
「新病院でのモダリティ体制は、3台あるCTは2台を移設し、1台を更新する予定です。2台あるMRIは1台を移設して1台を更新し、カテーテル装置は2台移設し4台は更新します。RIとリニアックはいずれも更新するなど、移転においては移設だけでなく、装置の更新も大幅に実施する予定です。
当院にはキヤノンメディカルシステムズ製のモダリティが数多く設置されていますが、長年当院の診療を支え続けてくれているメーカーですので、今回の病院移転でも頼りにしています。
放射線部としては、この病院移転という大きなプロジェクトを乗り切るかが最重要課題と言えます」
芳賀氏は、「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」の活用法を含め、研究を進めていきたいと話す。「新しいCTの性能を物理的・定量的に判定することで、客観性のある評価につなげていきたいと考えています。そして、このCTを、今後どのように運用していくかも大きな課題です。
具体的には、〝CT-ECVによるTAVI前評価、カテーテルアブレーション前の造影CTでの心アミロイドーシス診断が有効”との報告があり、当院でもECV算出は診療に有用と考えています。一方で、がん治療に関連した心筋障害が注目されているとの報告もあり、肺がん、消化器がんを多く診療している当院でも、今後検討したいと考えています」
仙台厚生病院は、2024年5月7日に新病院をオープンする予定。地上9階建て・エネルギー棟を併設する新施設では、特殊な感染症に対応したアイソレート室を整備するほか、屋上型ヘリポートやシャッター付き屋内救急車受け入れヤードの導入など防災体制を強化。それに加えて居住性の向上やプライベート環境の確保、感染リスクの低減等を図るため、409床の完全個室化を実施。また、リハビリ訓練施設を拡充するなど、「杜の都の次世代型先進病院」をコンセプトに、より高度で先進的な医療提供を目指すとしている。