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Vantage Fortian 
導入事例

「地域の“第二の撮影室”としての役割」
検査時間の短縮によって、依頼検査をいただきやすい環境へ

濵渦 恒俊 放射線科責任者 
三田尻病院 理事

  

三田尻病院

三田尻病院の外観写真

医療法人神徳会 三田尻病院は、1883(明治16)年に開業、1898年に現在の山口県防府市に移転した、長い歴史を有する民間病院です。 地域に根差した医療を展開し、“病院は地域そしてスタッフのもの”を基本理念に、“地域に求められる良質かつ適切な医療が提供できる病院“、“快適で活力ある働きがいのある病院“を掲げています。 同院では2024年12月末にキヤノン社製の1.5T MRI Vantage Fortian を導入しました。今回は、導入前後におけるMRI 検査の変化について伺いました。

装置更新を検討された背景を教えてください。

濵渦恒俊先生

山口県内において、当院は県立病院と地域クリニックをつなぐ役割を担っています。 当院はCT、MRIの双方を保有しており、地域クリニックに積極的に活用いただきたいと考えていました。 そこで、2019年に地域医療機関向けの研修会兼交流会を当院で開催し、放射線部より、当日検査および読影結果返却が可能な受け入れ体制や運用面について紹介しました。 装置導入以降、病院周辺には整形外科クリニックが多いこともあり、整形外科領域を中心にMRI紹介検査が増加しました。 研修会開催から約2年が経過した頃には、当院の検査体制を評価いただき、予約枠が埋まることで紹介検査依頼をお断りする場面も増加しました。 検査枠の拡大も検討しましたが、既存装置の処理能力には限界があり、増加する需要への十分な対応が難しい状況が続いていました。 こうした背景から、検査回転率の向上による受け入れ体制強化の必要性を感じ、装置選定を開始しました。 選定にあたっては、検査スループット向上による受け入れ件数の増加や画質を維持した短時間撮像など、病院経営への貢献を重視し、Vantage Fortianの導入を決定しました。

検査件数増加と継続紹介がもたらした経営面での効果

紹介件数の推移を表したグラフ、2024年と比較して装置更新の2025年には年間プラス約150件の追加検査が可能に
図1 紹介件数の推移

装置更新により、期待していた検査時間の大幅な短縮が実現し、これまで十分に対応できていなかった当日検査への柔軟な対応が可能となりました。 当院のMRI検査は約40%が近隣施設からの紹介検査であることから、当日受け入れが可能になった影響は大きく、更新前は年間平均約1600件だった検査数が、更新後は約1800件まで増加しました(図1)。
今年度の診療報酬改定により、当院のような急性期以外の病院では、病棟患者さんおよび外来患者さんのみで装置導入コストを回収することが難しくなる可能性があります。 当院では、当日中の検査実施および読影結果の返却による回転率向上に加え、こうした対応を評価いただいた地域の先生方から継続的な紹介・リピートにつながっています。 今後もさらなる検査数の増加を期待しています。

当日対応が生んだ継続紹介と地域連携の好循環

検査時間の短縮により、当日の予約検査にも柔軟に対応できるようになりました。 これまでは、検査予約受付時に「〇日の△時であれば対応可能です」と病院側の空き情報に合わせて来院時間をご案内していましたが、 現在はまず「ご希望の検査日時はありますか?」とお伺いし、紹介元の先生や患者さんのご都合に合わせて検査日時を調整できる体制になりました。
また、学校や仕事の都合で来院回数を減らしたいという理由で、当日検査を希望される患者さんも多く、こうした運用体制について高い評価をいただいています。 このように、装置更新は院内業務の効率化にとどまらず、地域医療連携への貢献という点でも大きな意義があったと考えています。

新規検査がもたらした新たな紹介需要

腰椎分離症に対する腰椎ルーチン撮像の例
図2 腰椎分離症に対する腰椎ルーチン撮像の例

装置更新後は、新たにbone weighted imageを積極的に活用しています。およそ4分半での撮像が可能となり、これまで時間が課題となっていた撮像にも対応しやすくなりました。 これまで腰椎分離症のフォローアップ検査はCTで実施してきましたが、導入後はMRIによるフォローアップ検査も行うようになりました(図2)。 また、紹介元の先生方にもbone weighted imageの認知が徐々に広がり、若年層の腰椎分離症疑い患者さんに対しては、追加撮像が標準的な運用となりつつあります。 被ばくを伴わずに十分な観察が可能である点に、大きな意義を感じています。

下肢静脈瘤に対するFBI撮像
図3 下肢静脈瘤に対するFBI撮像

また、静脈瘤治療症例の多い当院では、Flow-Spoiled FBI法を用いた非造影下肢動脈・静脈検査(図3)を実施していましたが、更新後はDelayTrackerの活用により、より簡便な検査運用が可能となりました。 Flow-Spoiled FBI法の撮像条件最適化が容易になり、旧装置と比較して操作者間のばらつきが少なく、安定した画質を提供できるようになりました。 下肢静脈については、先生方から「超音波検査と比較して静脈瘤の全体像を把握しやすく、患者さんへの説明がしやすい」と評価をいただいています。 患者さんの治療への理解にもつながっていると感じています。また、安定した画質の画像を継続的に提供できている点も高く評価いただいています。

継続紹介を支える撮像時間短縮・画質向上

全身の検査において、旧装置と比較して撮像時間短縮と画質向上の両立が実現できていると感じています。 例えば、膝関節撮像では、旧装置では18分以上を要していた検査が、更新後は半分以下の約9分で撮像可能となり、さらに従来以上の画質が得られています(図4)。 膝関節以外の検査においても、表1のように各検査で撮像時間短縮を実現しており、平均で約40%の検査時間短縮につながっています。

旧装置と新装置の膝関節ルーチン撮像時間の比較
図4 旧装置と新装置の膝関節ルーチン撮像時間の比較
表1 各検査の撮像時間の短縮
各検査の撮像時間の短縮

装置更新を考えているご施設へメッセージをお願いいたします。

三田尻病院様の集合写真

当院は、地域クリニックと県立病院・大学病院をつなぐ役割を担う病院として、地域医療を支える存在でありたいと考えています。 装置更新によって、検査体制の柔軟性が向上し、MRIを保有していない施設からの検査依頼にも、これまで以上に対応できるようになりました。 現在では、地域クリニックの先生方にとって、当院が「第二の撮影室」のような役割を担える体制が整ってきています。 院内診療の質向上に加え、MRIを保有していない施設を支援することで、地域医療連携への貢献にもつながっていると考えています。 高精細な画像は、院内医師にとって診断しやすい環境を提供するだけでなく、地域の先生方にとっても安心して紹介できる体制づくりに寄与しています。 さらに、検査時間短縮による業務効率化は、運用面・経営面の双方にメリットをもたらしています。 院内診療の質向上と地域連携強化を両立したいと考える施設にとって、有用な選択肢となる装置であると考えています。

  • *本記事のAI技術については設計の段階で用いたものであり、本システムが自己学習することはありません。
  •  記事内容はご経験や知見による、ご本人のご意見や感想が含まれる場合があります。掲載内容は予告なく変更する場合があります。掲載内容はオプション構成品を含みます。

一般的名称 超電導磁石式全身用MR装置
販売名 MR装置 Vantage Orian MRT-1550
認証番号 230ADBZX00021000
類型 Vantage Fortian
製造販売元 キヤノン株式会社