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Vantage Gracian 
導入事例

より速く、より鮮明に、より多くの患者様へ
装置更新が地域医療に与えたもの

加藤 久善 技師 / 日比野 孝俊 技師 
医療法人大医会 日進おりど病院 臨床放射線科

日進おりど病院

日進おりど病院の外観写真

日進おりど病院は全国でも人口増加率の高い日進市に位置し、地域医療の中核を担う病院です。 患者様の待ち時間の短縮や、各部門間でのリアルタイムな情報共有による診療体制の充実など、医療の質のさらなる向上に取り組んでいます。
また、2つの大学病院の中間に位置することから、高度な医療ニーズにも対応し、地域住民から信頼される医療の提供を目指しています。

地域医療を支えるリニューアルソリューション

図1 Vantage Gracian リニューアルソリューション

当院では、2009年より稼働していたMRI装置の老朽化が進み、画質や撮像速度、操作性の面から更新が必要な時期を迎えていました。 既存のマグネットを活用するリニューアルソリューションが提案され、一般的な装置と比較して導入コストを抑えながら、最新のVantage Gracianへ更新しました。 その結果、運用面・性能面の双方でさまざまなメリットを実感しています。
最も大きなメリットとなったのが、更新に伴うダウンタイムの短さです。 当院では月間400件のMRI検査を実施しており、そのうち100件(25%)は地域医療機関からの紹介による共同利用検査です。 地域医療機関との連携のもと、MRI検査を提供しているため、更新に伴う検査停止期間を最小限に抑えられたことは、病院運営への影響を軽減するとともに、 共同利用を行っている地域医療機関や患者様への影響を最小限に抑えることができました。
さらに、装置更新により、検査の質向上と検査効率の改善を実現し、地域医療へ継続的に貢献しています。 同装置では、従来よりも高精細な画像取得が可能となり、患者様へより高精度な診断を提供できるようになりました。 また、撮像時間の短縮により検査効率が向上し、待ち時間の短縮や患者様の負担軽減にもつながっています。

検査時間短縮がもたらした現場のゆとり

更新前後の検査枠を比較した図。旧装置では3件だったが、新装置では4件の対応が可能になった
図2 更新前後の検査枠比較

導入前には想定していなかったメリットとしては、検査時間の短縮によって現場の運用に余裕が生まれたことです。 画質向上も大きなメリットですが、私たちにとって特に印象的だったのは、検査時間の短縮によって日々の業務にゆとりが生まれたことです。 検査枠は従来と同じ30分ですが、運用面に大きな余裕が生まれています。その結果、緊急検査にも柔軟に対応できるようになりました。 従来は検査予定が常に埋まり、残業が発生したり、更衣が困難な患者様へのサポートに十分な時間や人員を確保できない場面もありましたが、現在は一人ひとりの患者様へより丁寧な対応が可能になりました。 検査も時間内に終了することが増え、スタッフと患者様双方にとって、より良い検査環境を実現しています。また、検査前の準備も大幅に効率化されました。 頭頸部コイルの一体化やフレキシブルコイルの採用により、大がかりなコイル交換作業が不要となり、少人数でも効率的に検査準備を行えるようになりました。 フレキシブルコイルは患者様の体形に合わせて柔軟にポジショニングが可能なため、大柄な患者様でも十分な信号を取得しやすく、SNR不足や体動による再撮像の減少にもつながっています このように、検査時間の短縮、準備作業の効率化、再撮像の減少により、患者様の負担軽減だけでなく、診療放射線技師の業務環境も大きく改善しました。 より質の高いMRI検査を安定して提供できる体制が整い、地域の患者様や医療機関の期待にこれまで以上に応えられるようになったと実感しています。

前立腺MRIの課題を解決し診療の質向上へ

当院の泌尿器科では、前立腺肥大症や前立腺癌をはじめとする各種泌尿器疾患の診療に対応しており、年間160件の前立腺MRI検査を実施しています。 外来診療ではCTやMRIを活用した画像診断を積極的に行い、早期診断と適切な治療方針の決定に努めています。 そのため、前立腺MRIには高画質を維持しながら、効率よく検査を実施できる運用が求められていました。
従来は、前立腺MRI検査においてルーチンで撮像していたb値の異なる2種類のDWI(拡散強調画像)が検査時間を圧迫し、運用面での課題となっていました。 しかし、Advanced intelligent Clear-IQ Engine(AiCE)やRDC DWIといった革新的なアプリケーションの導入により、 現在では30分の検査枠内でも余裕をもって検査を実施できるようになり、検査効率が大きく向上しています。

図3 更新前後の前立腺画像比較

直感的なコンソール設計がもたらすMRI操作性の向上

Vantage Gracian パラメーター設定画面
図4 Vantage Gracian パラメーター設定画面

インターフェイスの改良により、パラメーター操作時に「どこに何があるか」が直感的に把握できる、視認性に優れた画面設計となりました。 MRIは他モダリティと比較して設定可能なパラメーターが多い特性がありますが、本システムではそれらがカテゴリーごとに整理されており、目的の設定項目へスムーズにアクセスできます。 その結果、パラメーター選択の自由度が高いにもかかわらず操作性が向上し、ストレスなく検査を実施できるようになりました。
さらに、定期的に開催されるユーザー会では、パラメーター設定に関する勉強会が実施され、毎年開催される『画論』においても他施設の運用方法や設定に関する情報提供が行われています。 こうした継続的な学びの機会を通じてMRIへの理解を深め、より質の高い検査運用につなげています。

多様な撮像法が支える柔軟な非造影MRI運用

非造影鎖骨下動脈撮像
図5 非造影鎖骨下動脈撮像

従来の装置でも安定した撮像が可能でしたが、オーダの多い非造影検査は、装置更新によりさらに進化したと感じています。 最新のアプリケーションだけでなく、従来から搭載されている機能についても性能向上を実感しており、その点には大きな驚きがありました。
装置更新後は、鎖骨下動脈の検査依頼もコンスタントに入るようになっています。 パラメーターの自由度が向上したことで、従来から使用しているFBI法に加え、短時間で実施可能な同期を使用しないASTAR法による撮像も新たに採用できるようになりました。 複数の撮像法を選択できるようになったことで、患者依存性の高い非造影検査においても、患者様の状態に応じた柔軟な撮像が可能となり、安定した検査運用体制が整っています。

稼働から1年が経過して

装置稼働開始から1年が経過しましたが、これまで大きなトラブルや故障もなく、安定した検査運用を継続できています。 また、患者様からは「ここのMRIは静かですね」と声をかけていただくこともあり、快適な検査環境の提供にもつながっていると感じています。 現在も装置には大変満足しており、今後も質の高いMRI検査を通じて地域医療に貢献していきたいと考えています。

  • *DLR(Deep Learning Reconstruction)
  • *本記事のAI技術については設計の段階で用いたものであり、本システムが自己学習することはありません。
  •  記事内容はご経験や知見による、ご本人のご意見や感想が含まれる場合があります。掲載内容は予告なく変更する場合があります。掲載内容はオプション構成品を含みます。

一般的名称 超電導磁石式全身用MR装置
販売名 MR装置 Vantage Elan MRT-2020
認証番号 225ADBZX00170000
類型 Vantage Gracian
製造販売元 キヤノン株式会社